きらきら星と女の子
西條 さくや

ある小さな村に、一人の小さな女の子がいました。
この子がまた変わった子で、夜になるとこっそりと家を抜け出しては、村の外れにある小高い丘の上へ行くのです。そうして夜露にしっとりと濡れた草の上に腰を下ろすと、今にもこぼれ落ちてきそうな星空を、じーっと見上げてばかりいるのでした。
ある日のこと、一人の旅人が、その村にやって来ました。
宿屋でその話を聞いた旅人は、その女の子に会いに行ってみることにしました。
例の丘の上に行ってみると、小さな女の子が一人、草の上に座り込んで、じーっと空を見上げています。
「こんばんは、お嬢さん。一体、こんなところで何をしているの?」
女の子は、突然知らない人に話しかけられてびっくりしたみたいでしたが、すぐにうれしそうに笑って答えました。
「あのね、あそこでとびっきりきらきらしているお星様があるでしょう? あのお星様が、どうしても欲しいの。だから、落ちてくるのを待っていたのよ」
それを聞いて、旅人は吹き出しそうになりました。けれどもそれを我慢して、代わりににっこりと笑って教えてあげました。
「待っているだけじゃあだめよ。どうしても欲しかったら、手を伸ばしてごらんなさいな」
もちろん旅人は、冗談のつもりでそう言ったのです。
女の子と話せて満足した旅人は、しぶる女の子をなだめすかせながら家まで送った後、自分も宿屋へと帰って、ぐっすりと眠りました。
そうして次の日の朝には、その女の子のことなどすっきりと忘れて、また元気に村を旅立っていったのでした。☆ ☆ ☆
それからまたしばらくして、また別の旅人が、その村にやって来ました。
宿屋でその話を聞いた旅人は、その女の子に会いに行ってみることにしました。
例の丘の上に行ってみると、小さな女の子が一人、空に向かってしきりに手を伸ばしています。
「やあ、お嬢さん。一体全体、こんなところで何をしているんだね?」
女の子は、突然知らない人に話しかけられてびっくりしたみたいでしたが、すぐにうれしそうに笑って答えました。
「あのね、あそこでとびっきりきらきらしているお星様があるでしょう? あのお星様が、どうしても欲しいの。だから、こうやってうんと手を伸ばしていたのよ」
それを聞いて、旅人は吹き出しそうになりました。けれどもそれを我慢して、代わりににっこりと笑って教えてあげました。
「だめだめ、手を伸ばすだけじゃ。どうしても欲しかったら、飛び跳ねてみることだね」
もちろん旅人は、冗談のつもりでそう言ったのです。
女の子と話せて満足した旅人は、しぶる女の子をなだめすかせながら家まで送った後、自分も宿屋へと帰って、ぐっすりと眠りました。
そうして次の日の朝には、その女の子のことなどすっきりと忘れて、また元気に村を旅立っていったのでした。