○ 緊張してます?(笑)
「何を話したらいいんだろう?」
○ 最初に、千葉コレを思いついた経緯を教えて下さい。
「長いんだよ」
○ (笑)。じゃあ、まず。千葉コレの母体となった縫製技術研究会は、もしかして田仲さんがつくられたんですか?
「うん。一年から。」
○ 去年からですか、できたてですね。
「うん、千葉コレやって。それで、コレ裏話なんだけど、誰にも話してないんだけど。」
○ いきなり裏話ですか!(笑) それは載せちゃっても良いんですか?
「でもまあ、いっか。千葉コレ、本当は服だけでなくて総合的な文化情報発信源みたいなのを目指してて」
○ それは服飾に限らず、デザイン一般を?
「でも、とりあえず服が一番お客さんを寄せやすいし、こっちもスタッフを集めやすいから。服で。千葉コレの軸としようと思って。」
○ 縫研を作るのが先だったんですね。
「ううん、作らずに千葉コレやって、そん時の人集めが大変だったんですよ。」
○ それはデザ工の知り合いから募ったんですか。
「うん、まずは・・。一人、あっ、この子はやってくれそうだなという子を知り合いの中から探して、その子を・・・」
○ 口説き落として(笑)
「(笑)口説き落として。ほかにもいろいろ、触手を伸ばしていって。なんかデザ工じゃない人もいて。でも信頼がないじゃないですか、お互いに。『千葉コレ本当にできるのかな』とか『ホントに服作れるのかな』」
○ しかも入学したてで、勧誘大変だったんじゃないですか。
「うんまあ、第一回の千葉コレは秋だったから、準備始めたのは6月で、ある程度知り合いにはなれてたからね。」

 

○ 勧誘文句はどんな風に?
「ファッションショーやってみない?って。ファッションショーっていうと皆やっぱり、おっと思って話を聞いてくれる。」
○ うんうん。
「でも、モチベーションをつなぐが大変だったけどね。夏休みに入ると『あっごめん。忘れてた、やってないや』とか。
○ うわぁっ、そんな人が。
「うん。ほとんど皆そうだったね。」
○ (笑)。夏休み中に集まるとか、そういうのは全然?
「うん、あんまり。やったんだけど、こっちもまだ何をやっていいのかわからないから、会議にしても結構すぐ終わっちゃうんですよ。だから集まることもなく進んでいったから。うーんとね」
○ 準備は6月から始めたんですか。
「でも実際の制作期間は9月からだから二ヶ月で、ファッションショーを作る。で、そう、そのモチベーションをつなぐために、あのー、ホントに千葉コレができるってのを証明するために、僕が作り始めたんです。夏休み、まず一人めで。服をね。本当はやる気無かったけど。」
○ そのときはもう既にモデルさんとかは決まっていたんですか。
「いや、決まって無かったです。」
○ 決まってないで服を作り始めたんですか?
「そうそう、だからホントに大変で。」
○ モデルさんを集めたのは九月に入ってからだったんですか!
「そう。そうホントに。だからもう、そんなやる気の出させ方は大変だからと思って。ある程度人数を最初から持っておこうと思って、縫製技術研究会をつくったの。」
○ あー、多めにとりあえず採っといて(笑)
「そうそうそう。で、人材を育てていって、千葉コレやるたんびに縫製技術研究会の名前上がっていって、相乗効果でいけるようにと思って。一回目、やる前に、それは思わなきゃ駄目だけど。ちょっと間に合わなかった、一回目には。だから一回目はホントに規模が小さくて。」
○ デザイナーは何人位だったんですか?
「六人で。」
○ 二回目の半分の人数ですね。
「できた服の数が、幾つだったかな?20体前後だったと思う。」
○ でも20体?一人2体作れる余裕があったんですね。
「一人、6体作ってきた子がいて、後は皆、2〜3着だったんだけど。そのおかげで。」
○ すごい、6体か!モデルさんは?
「モデルはねえ、学校でナンパして。モデルやってくれませんかって。後は、そのデザインした子の友達とか。その、二回目はね、みんな誘い・・・、ナンパし始めたんですよ。人材がいないから。」
○ ナンパ(笑)。

 

○ 縫研を作ったのはいつ頃ぐらいですか、1回目が終わったあとですよね。
「十二月かな。」
○ 十二月に、その集めたメンバーで・・・。
「うん、その千葉コレに関わった人達を縫研に無理やり入れたみたいな感じ。」
○ 非公認サークルですよね、たしか。
「うん、非公認。でも、非公認サークルってつくと、なんかちょっと反体制主義みたいでかっこいいじゃん(笑)うん、それを売りにしてる。」
○ 売りにしてるんですか(笑)
「自由にやりたいじゃん。」
○ ああ、なるほど。費用というのはもう、みんな自分もちでってことなんですよね。
「まあ、サークルにしたところでね、費用は結局、会費から出ないし。」
○ それはそうか。縫研は、今何人くらいですか?
「縫研、13人。でも中にはWEBを作るだけの人とカメラ使うだけの人とかいるから。」
○ ああ、じゃあデザイン以外にも、こうー。
「そうそう、千葉コレのための準備ができてるわけ」
○ 二回目もこのメンバーを使えばそのまま使えるみたいな感じ?
「うん。でもそれでも足りないからね。やっぱり。ファッションショーには。スタッフが必要。うん。大変だよ。」
○ 一回目と二回目が違いというのは、音楽をかけたりとか、そういう違い?
「いや、二回目の方が全然。一回目はホントに、なんだろ?お遊戯会みたいな感じ。一回目ねぇ、放送研究会ってあるじゃん、千葉大に。俺、もともとそれに入っていて映像がやりたくて。で、それの大学祭のイベントの一部としてファッションショー。」
○ へえー、じゃあ最初は放研っていうバックグラウンドがあって、そこから始めたんですね。
「なんだろ、ラジオ番組をやってたんだ。スタジオ作って、そのステージでうちのスタッフがやったんだ。その―今回やった千葉コレより。でも・・・。うん、番組としてファッションショーやろうと。」
○ 放送研究会は幅広いですよね、映像とか音楽とか。
「うん、僕の友達は映像をやりたいと、何かかっこいい・・・Tomatoとかあるじゃないですか?知ってます?アンダーワールドの映像を担当している。」
○ ああ、あのクリエイター集団。
「あんな感じの映像を想像していただければ。それをやりたいって言ってて。じゃあ、俺もそれをやってみようかなって、軽い気持ちで入って。で、千葉コレをそこでやって。」
○ ファッションショーという案は、もともと自分が服作りをするから…。
「ううん、違う。」
○ エッ、違うんですか!?
「違う、全然。全然頭に無かった。」

放送研究会 http://www.linkclub.or.jp/%7Et-rock/cbs/

Tomato http://www.tomato.co.uk/
イギリスのみならず、世界で活躍するアート制作集団。その活動範囲は、映像、美術、音楽、と多岐に渡る。

○ もともと服作りをするわけでもなかったということですが、どういう流れでファッションショーという?
「そっか、まずそっちから行った方が良いか。うーん。まず高校の頃、僕はおとなしい、真面目・・・では無い、普通の学生でした。高校生。で、文化祭でファッションショーやってたんですよ。全く関係無い人が。
○ 高校で? 観客として見たってことですか。
「うん、そうそう。んで伊奈学園だから、伊奈コレって言うんだけど。」
○ 伊奈コレ(笑)?
「そう、それで今千葉コレなんだけど。」
○ そんな名前の由来が、ふーん。
「で、最初それやってるの見てて、あー羨ましいなと思ってて。ファッションショーって、となりのクラスの奴が其処で服作ってたから。うん。俺もそのときは。服、興味あったけど何にも作れない人だったから。なんだろ。悔しいというのだけあった。やってみたいなぁ、じゃなくてねえ。」
○ 動機は、高校時代から遡るんですね。
「うん。で、二浪。二浪、コレがきつかったんだ。コレが反動だよ、今の千葉コレみたいなの。コレ結構大事なんだけど。二浪ってやっぱりさ、まわりにいる?友達、浪人の。」
○ いますよ。
「結構、頭の中うじゃうじゃするんだよ。身分が無いんだよ、まず。浪人生って。」
○ 職業欄を書くときとか。
「学生とも書けないし。だから、で。しかも二浪でしょ。駄目な奴の中でも駄目なんだよ、さらに。」
○ プレッシャーが激しくなる…?
「プレッシャーというかね。俺はこんなんじゃない。もっとできるっていうのがどんどん溜まっていくの。こんなはずじゃない。で、勉強しなきゃいけないからほかに何もできないでしょ。」
○ 押し潰されてぺしゃんこになるんじゃなくて、逆にバネにして!
「だから、大学いったらすっげぇ遊んでやろうと思って。」
○ なんかやってやろう!みたいな。
「そうそう。でね、浪人中にね、平野啓一郎さんが23歳で(芥川賞を)とったでしょ。」
○ 『日蝕』は大学在籍中に書いたんでしたね。
「俺が、二浪で卒業する頃には24歳なんだよ。だから23までに何かでっかいことを俺もやってやろうと思って。で、大学入って、放送研究会たまたま入って。そしたら、放送研究会の先輩達が一回パルコのファッションショー、千葉パルコね。千葉パルコでやっているファッションショーをスタッフとして手伝ったことがあるんで。じゃあ、できるかなぁって思って。」

  平野敬一郎   オフィシャルサイト http://www.dd.iij4u.or.jp/~k-h/
大学在籍中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』が、第120回芥川賞を受賞、40万部の大ベストセラーとなる。

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