
高
「んで、今の最終決定の形になったのは…『書を捨てよ』を加えたのは?」
中
「『書を捨てよ』はやっぱ…寺山修司は『田園に死す』を見た時点で、うぁ、相当やべーって」
高 「確かにやばい」
中
「『田園に死す』は実は映像がやばくて、あの映像は粟津潔っていうデザイナー、グラフィックデザイナーが実は噛んでるらしくて、あの人が考えてるところも結構あるらしいんですよね…あの雛壇流れてくるシーンは粟津潔が手がけてて。で、ま『書を捨てよ』はより詩的な、意味で語りかけてくる感じかなっていう…それもやっぱ重要だろうと」
む
「題名はでも『サイナラ映画祭』で…」
高 「これがまた大きい」
中 「タイトルも迷ったんすよ」
高
「そのタイトルと『書を捨てよ』を入れたっていうのはめちゃくちゃおっきいと思いますけど。ただ、松井さんを出発点にしながらそういうことやるっていうのはなにかとてもそれぞれの作品が希薄な繋がりの上にあるようにも感じられるんですけど…そのへんの過程をちょっと訊きたいんですけど」
中
「松井監督も寺山修司と繋がりすげーあって、『豚鶏心中』の方は、『天井桟敷』っていう寺山修司の劇場、アトリエみたいなとこで上映してたし、『追悼のざわめき』も脚本できた時点で寺山修司に見せて、寺山修司にいろいろ話し聞いて、んで、完成する前に寺山修司が死んだっていうのがあるし…なんだろうやっぱ、重要だと思ったんですよね、なんだろう…あ、そうだそうだ思い出した!」
高 「思い出した?思い出した!」
中
「話すべき事を…そうやっぱフィルムでやる意味が重要だったから。いい映画はいっぱいあるんすよね、山本政志の映画とか、海外にもいくらでもあるし、見たい映画も、フィルムで見たい映画いっぱいあるけど、特に『書を捨てよ』はフィルムでやる意味あったんすよね。あのすっげ微っ妙〜な色の差で現しているシーンとかいっぱいあるし、ビデオで見るとわかんないシーンとかいっぱいあるんすよね」
む 「あと最後の方で電気消しましたよね?」
中
「そうそうそれとかもそうなんですよね…色で、すっげー微妙な差で見えてくるシーンとかいっぱいあって、それビデオで見るとわかんなくて…あとやっぱあの映画は劇場でやって電気点けてフィルムのその、電気点いたらもう無意味なんだよっていうことを言ったりしてるじゃないですか。そういう意味で重要ですね。あれは。それで重要だった…そうそうそんな大事な事言わないでどうするって言う(笑)」
む
「その『書を捨てよ』のフィルムを借りるっていうのはどこから来たんすか?」
中
「それは…最初は、『書を捨てよ』は35mmで上映したくて、実際16mmでやってたんすけど、本当は35でやりたくて…一回ATGに」
高 「ATG=アート・シアター・ギルドね」
中
「アート・シアター・ギルド…そこに電話したら、あるって言うから借りようとしたんすけど、やっぱ35は上映する機材がすげー大変で、借りるのも高いし。だからしょうがないから16で。最初は35と16差があるのかなと思ったんすよね…けどま、あんぐらいのスクリーンの大きさでやる時はそんなに差はないだろうということで、解像度の差は。それで16はアート・シアター・ギルドじゃなくてビデオを管理する会社の方に移っちゃうんすよ。東宝東和プロモーションっていうところに管理してるのが移っちゃってそっちから借りたんすけど…なんかね、そういう映画やる時は、映画館でやるんじゃないから、まず、外に向けて宣伝しちゃいけないらしい」
高
「えー!!!(驚愕)…え、それはATGの作品だから?それともATGから会社通さないでやる場合?」
中
「いや、違うんすよ…あのね、東宝東和っていう16mm貸してもらう方に関してはそうなんすよ。そっちは宣伝しちゃいけないし、お金も取っちゃいけないしっていうことで16mm貸してもらうんすよ。けど、それを35mmのアート・シアター・ギルドの方に訊いたら、そんなことはなくて、俺らがやりたい事言ったら、むこうすげー結構安い値段で貸してくれて…東宝東和の方に訊いたら、1回上映7万で、2回上映が11万5千円とかって0.5掛けになるんですよ。そこを、アート・シアター・ギルドっていうフィルム持ってる大元のとこに行ったら2回で7万円でいいし、宣伝もしていいし、お金も取っていいって」
高&む 「へー!(感嘆)」
中
「そう、大元に頼んだらけっこう自由にやらしてれるって言ってくれたんすよ」
高
「大元っていうのは権利持ってる方っすよね?」
中 「そうそうそう」
高
「あっち(東宝東和)は管理してる方」
中 「そうそうそう」
む
「じゃ、後からそれは聞いた話ですよね?」
中
「そうそう、後から、そう、最初ATGに行った時は全然それでいいって言ってくれて…けどやっぱ35mm無理で、16の方に言ったら色々そういう問題出てきて…宣伝しちゃ駄目だし、お金取っちゃ駄目だし、で、料金も2回で11万5千円ですって言われて…けどま、そこをアート・シアター・ギルドの方に行ったらこう言われたんすけどって言ったら、まぁいいやってことで同じ条件で、2回上映7万で…でも、それでも最終的に東宝東和は宣伝とかしないでくれって。お金に関しては何にも言わなかったけど。けど、結局宣伝したんすけどね。そうそうそう、それ重要」
む 「連絡とかはどうやって?」
中
「連絡は…あれ、どうだったかな…インターネットとかで調べて、んで、その東宝東和ってとこに電話したら千葉にその代理店があるからそっちに電話してくれってことでその千葉の方といろいろ話したんすけど…それなんで宣伝しちゃ駄目だしお金取っちゃ駄目かっていうと…なんかね、地域の映画興行団体みたいのがあるから、そこに申し訳がつかないからっていうことなんすよ」
む 「ええー!!そんなのが?」
高 「ふーん!ってことは千葉の?」
中
「そ、千葉に色々映画館あるのに、フィルム会社がこんな素人の大学生に、そんなただでやらせるような映画の上映をやって、更にそれを宣伝されたら、その映画館が困るから、フィルム貸す方が、宣伝を俺達にやらないでくれって…だから、ほんとなら、映画館に挨拶に行った方がいいんんじゃないのとか言ったんだけど、ただアート・シアター・ギルドの人曰く、大学なんて治外法権だから勝手にやっちゃえばいいでしょって」
高
「もう、あれですよね、そっちの管理の会社からしてみれば、いつも借りてくれる人がお客様っていう…」
中 「そうそうそうそう…」
高
「そこまでは全部一人でやってたんですか?」
中 「そうそうそう」
む 「は!?そうだったんですか?」
中
「あ、でもね、松井監督の映画のそういうやばい映画あるのと、『書を捨てよ街へ出よう』と、あと宇川さん呼ぶっていう企画をやりたいんだって言う事をもう二人には言ってあるんですよ」
高 「それは8月ぐらいでしたっけ?」
中
「たぶん、うん、文学部の奴一人と工学部の奴もう一人に言って、理解示しそうな奴。だから一応その3人がメインなんすよ、俺を含めた…けど、ほとんど俺がやってましたね…」
高
「ホームページとか掲示板とか見る限りそういう雰囲気が」
中
「いや、ただ、俺がへたくそだったんすよねそういう他人に頼んだりとか…自分でやんないと気が済まなくて。けど、やっぱ、モチベーションがやっぱ俺が一番持ってて…」
高
「そっかそっか…あんまりこう人を働かせる方には出れなかったんですね…働かせるより働いちゃえって」
中
「それが後でまたいろいろ問題になってくるんすけどね(笑)」
高 「ま、またそれは後で」
む 「じゃ苦労話は後でって感じですね」
中
「いやもう十分に苦労してますよ(笑)ここまでで」
高
「いやま、そのへんの当たりは全部自分でやったと。それで残されてるのは宇川さんを入れたのと、『サイナラ』っていう題の付け方っていうことだと思うんですけど…これはどっちが先なんすか?」
中
「宇川さんかな?…とりあえず、そう、日にちとかも…ブッキングの日にちと、あと場所だけは押さえてチラシを早く作りたかったんすよ。だから宇川さんもね、まずアップリンクに電話して、DVD出してるじゃないですかアップリンク。で、電話番号おしえてくれって言って、訊いて…これなかなか面白い…(笑)これかなり面白い話っすよ」
む 「なんですか?なんですか?」
中
「えーとねぇ、宇川さんのファックス兼電話番号訊いて、宇川さんにファックス送ろうとしたんすよ。そういうのやりたいんですって。俺その時ファックス持ってなくって、近所のローソンで送ったんすよ、そしたら、その、ファックス兼電話って電話来たら、出て、ファックスだったらファックスに切り替える方式じゃないですか…でも送ってたら宇川さんファックスなのに出ちゃったんですよね」
高&む 「たははは(笑)」
中
「で、宇川さんすっげー間抜な声で…宇川さん電話出る時ってすっげーこう間抜な感じで「もっしもーし♪」て」
む
「(笑)知り合いがかけてきたと思って…」
中
「いや、宇川さんいっつもそんな感じ、すっげー気さくな人だから。それがあのローソンに響き渡って。間抜な宇川さんの「もっしも〜し♪」が」
む
「あ、ローソン…声出ちゃうんですか?」
中
「そうそうスピーカーで声出ちゃって「もっしも〜し♪」って、すっげー響いちゃって」
む 「うわー(笑)」
中
「で、俺、もうどうしたら良いかわかんなくて切っちゃったんですけど。それね、そうとう面白かった。でも、その後すぐ、外出て携帯で電話したら、なんか、それも宇川さんの凄いとこなんすけど、俺千葉大学の中沢って言うんだけど、さっきファックス送ろうとして電話したの自分なんですけどって言ったら…すっげえ宇川さん気さくな人じゃないすか、だから、全然そんな知らない奴にいきなり「自分家のファックスはアメリカ製で、もうアメリカ行かないとトナーは買えないから最近ファックス使ってないんだよ」ってことをなんかガーッと喋って、あぁそうなんすかーって…宇川さんやっぱ面白い」
高 「いいなー!!面白いっすねー!!」
中
「…で、まぁそういうやりたいんですけどってこと伝えて、それで、その電話では完璧にOKっては言えないけど、ま、できる限りやるよって言ってくれて」
高
「で、そこからどういう風に出演交渉が?講義の時にもかなり用意してきましたよねぇ?」
中
「うんうんうん…宇川さんにやって欲しかった事は、やっぱああいうふうな事で…俺一回そういうの見た事があるんすよ。宇川さんがアップリンクで、デジタルビデオのみで作った映画の時に宇川さんのトークショーがあって、それで見た事があって。宇川さんその時自分が昔作ったレアなビデオとか持ってきていろいろ喋ってて、やっぱこういうのってすげー意味あんなーと思って…それも俺、情報画像工学科っていう画像の所だし、うちの学科で講義としてやったら相当いいなーと思って、意味あるなーと思って、すげーやって欲しいと思って…で、だからああいう感じでやってほしいんすよって伝えて、そしたら宇川さんがメールでじゃ連絡してくれって事で、メール教えてもらって、メールでやり取りしてたら…やり取りしてないんですけどね(笑)宇川さん忙しいから全然こっちには送ってこない、一方通行的に俺が言ってて。で、なんか、一回、中目黒でやったエキシビションのメールもらって、それ行って、それが確かねぇ…9月15日かな…もうそん時には他の事全部決まってて、あと、場所だけってとこで、宇川さんの返事をもらいたいって事で、で、そん時決めてもらったんすよ。直接行って宇川さんと会って話して…田名綱敬一っていうグラフィックデザイナーと一緒にエキシビションやってたんすよ、中目黒で。そこでもう、どうですか?大丈夫ですか?ってことで、じゃぁ決めるよって事で」
高
「ギャラ的にはいくらだったんですか?」
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