−なんて言うか、今まではライブのその時だけ楽しければいいって感じで、曲は決まってんだけど、
ほとんど即興というか、同じ曲がないというか、そんな感じだったんだけど、アルバム作って、
何というかライブならライブの完成度というか、曲ならどれだけおれらの考えていること形にでき
るかっていうこと気になるようになってきたよね。
−そうするとですね、今まで言われてきた『やさぐれ』みたいなのからは、遠くなるということですか。
ギ「いやいや、そうじゃなくて。もちろん『やさぐれ』って別におれらが言ってるわけじゃないから、
どういう意味合いなのか分かんないけどさ、ただ自分らの気持ちというか表現しようとしてい
たものを、ただ無闇に音で叩きつけようとするのはどうかなって考えてきててね、『やさぐれ』
なら『やさぐれ』で何かを選んだということだと思うから。
―何かを選ぶとは?
ギ「なんて言うのかな。正直に言うとここ1・2年自分のなかでずっと考えていることがあって、今
までのようにギター弾いて、ドラム叩いて、それらの音の集まりで気持ちよがってたというか
ね、ずっと自己満足な感じでいたわけ。でももっと自分らの気持ち伝えたいとおもってくると
ただの自己満足じゃ納得行かなくなってきてね。いま西船橋には『やさぐれ』ロックっていわ
れてるバンドいくつかあるけど、そのなかの何バンドが自己満足じゃないんだろ。自分らの
無闇やたらな演奏の外に何があるだろうってね。結局『やさぐれ』っていっているけど、その
『やさぐれ』の中にみんな閉じこもってるんじゃないかって思ってね。そうじゃなくて、やってる
おれらだけじゃなくて、聞いてる奴らもやさぐれろと。いわば洗練されたやさぐれをめざそうと
思ったわけよ(笑)
−洗練されたやさぐれですか(笑)。なんかおもしろいですね。ギイチがそういう考えの変化という
か、バンドのこととか考えるようになったのにはなにかきっかけみたいなのあったんですか。
ギ「んー、そうね。もう俺も年だしね。
−え、何歳なんですか。
ギ「25。
−何言ってるんでか。まだまだ若いですよ。
ギ「そうなんだけどね。なんていうか25って微妙な年なわけよ。思いだけで音楽やるには年を取
りすぎたし、かといって老成しているわけじゃないというか。きっと25前後ってそういうこと考え
るんじゃないのかな。
−そうなんですか。私はまだ22歳なんでよくわからないところがあるんですけど。
ギ「あと、3年経てばわかるって(笑)。例えば彼女とかいるとするとね、こいつと俺結婚するのか
なとかね、今までずっと先のように考えていたことがすこしづつ現実味をおびてくるというか、
老後はおれ孫に囲まれて幸せにしているだろうとか。
―老後ですか?
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