Still life 03:
平野隆行・・・現在フリーの映像ディレクター、ドキュメンタリーの仕事多し。最近、勤めていた会社を辞め、独立独歩で映像の世界を歩むことになった。彼の辿ってきた人生、彼が考える映像制作、今後の展望を訊いてみる。
平野隆行
1971年 千葉県生まれ
1995年 獨協大学外国語学部フランス語学科卒
1995-97 テレビ番組配給会社勤務
1998-02 ビデオ制作会社勤務
2001-02 映画美学校在籍(※1)
2002- フリーの映像ディレクター
(※1:京橋にある映像学校。平野氏とインタビュアーは
映画美学校で同期。http://www.eigabigakkou.com/)
(以下、平野氏のパートは「○」、インタビュアーのパートは「●」から始まることとする)
★フリーに至るまでの道
○95年に大学を出てすぐ、海外のテレビの製作と配給をやってる会社に入って、そこでドキュメンタリーを中心に海外のテレビの配給を担当。配給って言っても、買うのは上の人が決めるから、取り寄せてどんなのがあるかっていうデータ―ベースを作ってた。
で、そういうのやって、98年かな?転職して今度はテレビとか企業とかのビデオを作る製作会社に移って。そっちでは最初の1年ぐらいADやってたのかな?で、小さい5人ぐらいしかいない会社だったからすぐADやりつつディレクターやらしてもらえるようになって。
そこで4年と10ヶ月ぐらい働いて、ついこの間2002年の10月に辞めて、現在フリーのディレクター。
●テレビの配給会社のときの仕事というのは、その、あっちでどういう作品があるというのをとりあえずピックアップしてきて?
○とにかくかたっぱしから…ま、ヨーロッパだったらイギリス、フランス、スペイン、ドイツ、イタリアとか。
テレビ局と関連の製作会社からカタログをまず取り寄せる。で、カタログには簡単なシノプシスが書いてあるから、それを見て面白そうなやつだけサンプルテープ送付希望のFAXを送る。向こうもサンプルテープなんて送ることぐらいたいしてコストかかんないじゃん、VHSだから。それは契約してもらうための宣伝材料だからただで送ってくれる。
それをもうかたっぱしからみんなで分担して、だれだれはヨーロッパ担当、だれだれはアジア担当、だれだれはアメリカ担当みたいにして…片っ端から取り寄せると週に100本ぐらいテープもらって。で、それを皆で見て。テープにはペラ1枚ぐらいのもうちょっと詳しい内容が英語で書いてあって、で、それを英語のできる人に訳してもらって。見てると何となく分かるでしょ?わかんなくても。それで面白そうなやつを会社で判断してそれを契約して、まぁテレビ局に売ったりとか…
●それは最初にテレビ局の番組ありきで探したりするんですか?
○9割方が番組ありきで…残りは番組が無くて自分たちが面白いと思ったものを「これは絶対行けますから」って…あんまりないけどね。
●じゃ某まるみえなんとかとか…某月曜日の夜にもしかしたらやってるかもしんない…
○やってるかもしんないやつだね。で、やってたんですよ。で、その時に、買うだけじゃつまんないっていうのがあって。テープ、資料、カタログとか送ってもらうと映像だけじゃなく海外ではこんなものも作ってるとかって情報も入ってくるわけで。会社の中でもある種ネタは黙ってても入ってくるから、なんかいっそのこと自分たちでそういうネタをさらに掘り下げて作ったら面白いんじゃないか?みたいな感じで、たまには自分たちで海外ロケとかやって。
ま、それも結局先に番組ありきで、番組の中のコーナーとしてやったりしてたんだけど…年に1回か2回ぐらい海外ロケを。で、それからなんとなく買うより作る方が面白ぇーかなっていうかんじで。
テレビの配給会社はどうしても配給がメインだから、たまには作れるけど、そんなにたくさんは作れないっていうこともあって…ま、もっと言うといろいろ複雑な理由があって辞めたんだけど、それ話すと長いから(笑)でも、もうちょっと自分たちでロケして作りたいなっていう気持ちが強いのは事実で、そういうのもあって辞めて。
それから職を探して、で、この前までいたビデオの会社は100パーセント製作会社だったから。配給とか一切無しで。ま、わりと作ってるものは地味なものだったけど、それでも作ることには変わりないって気がする。地味なものほど面白くするのは難しいっていうかさ、それで個性っていうか、差を出すって非常に難しいことだからさ。ドキュメンタリーとかもそうかもしんないんだけど、取材する相手が例えば有名な人とかだとそれはそれで「いけちゃう」んだけど、普通の地味な人撮るとさ、やっぱり作り方次第で変わったりとかするから、逆に俺は地味なもののほうが何とかしなきゃっていうさ(笑)
●作り手の甲斐みたいのはありますよね…前いたビデオの会社で実際製作とかは平野さんが入社する前からやられてたんですか?平野さんが入ってから、「行かせて下さい!」とか。そういうわけではないんですか?
○そういうわけじゃあない。会社自体で前からやってた。
●でも、そうですよね。番組が欲しているものを自分たちで作れれば一番ですよね。
○ま…ただ日本の制作システムだと…
●時間ですか?
○海外だとそれは未だに違うシステムが…これは聞いた話なんだけど、例えばテレビ局から仕事貰ってやるにしてもリサーチ段階からお金貰ってやれたりするからすごい時間かけられるみたいなんだけど、日本だとネタが決まって、あとは撮影して編集するだけって段になったら初めてお金が貰えるようになったりするから、良いものを作るための準備期間があんまりない。自分たちで自主制作すれば別だけど…自分たちで自主制作しようと思ってお金をある程度リサーチにかけて、実際になんか作るとなると今度はロケハンとかしなきゃいけないからまたお金が必要になってくる。
結局、いい物を作ろうとすると結構時間もお金もかかる。ま、それはね何処の国も一緒なんだけれど、日本で海外のプロダクションが作るものとと同じ物を作ろうとするとものすごいお金がかかるみたい。海外の作品買っちゃえば一本につきたかだか100万だ200万だで済むけど。日本ってやっぱり作ろうとすると、そういうのの何倍とか、ね、しちゃうから。ま、一概には言えないけどさ。
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