I「あと、そういえばさっきの話で明確な回答を得られなかったん気がするのだけれども、プロの機材に変えようとしたというので、そのプロの機材というのは、たとえばじゃあ今まで使っていたものとは具体的にどのような感じで違うんですか?」
Y『今まではウインドウズのパソコンを使ってました。ウインドウズのパソコンで一般のMIDIっていうまあ、比較的誰にでも買えるような……』
I「そうだね。確かに値段は高いけど、色々なところで見かけるやつだね」
Y『趣味の範囲で出来る音楽をやっていたんですけど』
I「でも趣味でもかなり値の張るものだから、本当にある程度詳しかったり、好きじゃないと逆にできないような気がするんだけど。それでも、やっぱりそのレベルでは不満?」
Y『不満ですね、やっぱり。あのー、根本的には音楽の流れっていうのは音楽の業界では、コンピューターとしてはマックが主流なんですよ。まず、これが第一前提なんですわ』
I「意外だ。知らなかった(苦笑)」
Y『で、ウィンドウズっていうのはこのマックに対して抵抗しているというか、マックに追いつけるかというような発想でやってるように思えますね』
I「そういえば、マウスも確かマックの方がスタートだったっていう、そういう話を聞いたことが…」
Y『パソコンの原型はマックですからね。マックから、そのビル・ゲイツが真似してウィンドウズを作ったっていう発想なんで、もともとの原型はやっぱりマックなんですよ』
I「だからやっぱり曲や絵とかだとマックを使いたいというのはマックそのものにデザイナー志向のところがあったりするのかもしれないですね」
Y『えっ、っていうかマニアックな話しちゃっていいですかね?』
I「大丈夫、大丈夫(笑)」
Y『大丈夫ですか。えー、マックとウィンドウズっていうのは発想が違うんですよね。で、そのマックで使えるソフトをウィンドウズで使えるっていうソフトもあるんですけど、たとえば、日本で有名な会社だとヤマハとかローランド、まあ、コルグもあるんですけど、その会社のものを買ったらその会社のもので揃えないとうまくならないとか、そういう発想があるんです。たとえば、ヤマハのソフトを買ったら、ヤマハの音源を買ったら1番100%の力を引き出せるとかそういう発想なんですよ。ローランドの機械を買ったら、ローランドのソフトを使わないと、100%力を発揮できない。』
I「そうだね、確かにそれは…うん、そうするとワードっていうのがすごく広まったってのは互換性だけじゃないのかもしれないよね。一太郎ってのもあるけど」
Y『ただ、あの、マックの、まあ、僕が使おうとしているのはデジタルパフォーマーってやつなんですけど、たとえばどこの会社の音源を買ってきてもそのソフトで使えてしまうと。ヤマハならヤマハ、外国製のメーカーでもそれを1つのソフトの中で100%使いきれるっていう発想がたまたま求めてたソフトっていうところがありまして、それでマックに切り替えたってのがありましたね。』
I「そうするとやっぱりマックで、あと、インターフェイスとかも違うと思うし、変えることはやっぱりすごい決断だったと思うんだけれども、やっぱり良くしようってのと、あと自分を売りこむために自分の能力を最大限に生かそうと思って、ということなの?」
Y『そうですね。実際あの、現場ですぐに働きたいって考えるとマックを使えないとちょっと話にならないと』
I「そうだね。確かにそうするとやっぱり1年とは言わないまでも半年とか操作方法だけで時間取られちゃうし」
Y『そうですね。だからあの、さっき言った短大から大学に編入した意図は、っていうのがありましたけど、あれは実は貯金するっていう期間の延長でもあったんですよ』
I「貯金と、あとそれでマックを使えるように、習得するための時間」
Y「それでひたすらバイトして、つい最近夢が叶ったんですけど」
I「やっぱりそういうような音楽関係だとローランドとかの機材だけでも普通に売っているだけでもそれこそ10万とかするものだし、それで高いものだったらおよそどれくらいの値になるのかというのは聞かないでも予想はつく…」
Y『聞いてもいいですよ? え、その音源ですか?』
I「音源じゃなくてマックも含めて」
Y『マックも含めて…』
I「総額だと…」
Y『総額だと80万くらい(爆)』
I「……(爆)。それでソフトとかを含めて?」
Y『うん、今のところ』
I「じゃあ、今まで使ってたやつや、新しいものを増やしていくとなると……最終的には100万くらい? あ、でも越えるわな、きっと」
Y『……(笑)。まあ、これからちょっと足していくと100万超えますね』
I「やっぱり。想像できない。想像できない世界になってきた(笑)。すごいよね…」
Y『実際100万とか持つと手震えますからね(笑)』
I「やっぱり。そうだよね。そりゃ僕も思うよ。まあ、僕はそんな額のお金は見たことすらないんだけど(笑)。すごいでしょう。技術的なとこだけじゃなくてスケールの大きさがすごいと思うんだけど。でもやっぱりそれだけの価値が、まあ逆になければそんなことしないとも思うんだけどね。」
Y『そうですね』
I「やっぱり、それほどまでの絶大的な価値があると」
Y『根本的に話をまた戻しちゃうんですけど、業界はマックだということは分かってて、でも僕はウィンドウズでマックに対抗するぞって今まで考えてやってきたんですけど、えーと大学の3年かな、3年の時に、えー、ある楽器店でマックを使った講習会っていうのがあってマックで音楽を作ろうっていう』
I「あっ、前に話してくれたやつだね」
Y『それを見た時にショックを受けました。何か、今まで自分が苦労していた作業がいとも簡単にできてしまって、これは打ちのめされたというか、これはちょっとウィンドウズでは対抗できるレベルではないと』
I「今までやっぱり、苦労してたものが苦労しないでも絶対に出来るというそのことが分かって、そうするとやっぱり別の、自分がやりたい作曲っていう分野にやっぱり注力できるっていう……」
Y『そうですね。根本的に、あの、コンピューターで音楽を作るという場合は、そのソフトをセットして安定させることに焦点がいくんですよね』
I「そうだね、それは音楽に詳しくない僕も分かる」
Y『安定させないと曲どころの騒ぎじゃないんですよね。曲作っても、たとえばノイズが走ってしまうとか…』
I「途中でパソコンのOSそのものが不安定になってフリーズになるっていう恐怖感があればやっぱり集中できない」
Y『集中できないですね、やっぱり』
I「その辺りでやっぱりそうやって改革して、今の状態だと、じゃあ逆にいえばシンセだけじゃなくて生音とか、生音に近い音源というのも楽に使える」
Y『使えます』
I「とするとクラシックとかでもやっぱり」
Y『対応できますし』
I「じゃあ久しぶりにそういう山田くんのクラシックな曲というのも聞けるわけだ。じゃあ、これからの、まあ答えを聞いたような気もするけれど、これからじゃあどうやってなっていきたい? 音楽家として」
Y『音楽家として。まあ、自分個人としてはアニメーションの世界で食っていきたいというのがまずありますね』
I「やっぱり業界的に世界で対抗できるジャンルだからとか?」
Y『そうですね。日本のアニメーションそのものがやっぱり世界ではジャパ二メーションといわれているくらい日本はちょっとレベルが高いと。日本が誇れる屈指の技術だと』
I「ただその、第一人者である宮崎先生はなんか非難してましたし、やっぱりその点ではやっぱりもっとアイデアとかも含めて、そのために自己研鑽して頑張っていきたいってことですか」
Y『はい、そうです』
I「普通に、あと他のCM的なショートな曲とかも最近になったらやっぱり増えてきて、いくつか聞かせてもらってるわけだけれども、やっぱりその辺りもジャパ二メーションだけじゃなくてそうやっていろいろな分野で活躍していきたいと解釈してもいいのかな、それは?」
Y『そうですね。さすがにしょっぱなからまあ、第一線の音楽を任されるってことは多分ないと思いますんで、まあ売り込める場合ならCMだろうがなんだろうが書いていこうと思いますね』
I「まあ、確かに。それで最終的にはやっぱり音楽ドラマとかアニメとかの音楽監督、音響監督かな? そっち系統でっていうことかな?」
Y『音響監督かー、うーん』
I「音響監督っていうとやっぱり少し違うのかな? 作曲っていうのと」
Y『そうですね。まあそこまで大きなことは考えてませんけど』
I「まあ、確かに大作のアニメにしろ映画にしろ、ああいうようなのはやっぱりすごい、作曲とかっていうのも苦労すると思うし、大変だと思うけれども、やっぱりそっちの方を目指すっていうことなんですかね?」
Y『はい。そうですね、確かに苦しいってことはあるんですけど、やっぱり明確な目標がありますんで』
I「そうすると頑張れるっていうのが」
Y『はい、そうですね』
I「確かに明確な目標があると頑張ろうっていう気になるっていうのは僕自身も経験があるしよく分かるよ。そうすると…じゃあ、やっぱりそういう目標のために頑張っていくということですか?」
Y『はい』
I「それでは今日はどうもありがとうございました。」
Y『ありがとうございました』
2002年10月、都内某所にて